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問い合わせフォーム、置いただけで終わっていませんか——Notion と Slack だけで受け皿を作った話

フォームは「送信ボタン」の先が本番

Webサイトにお問い合わせフォームを置く。ここまでは、たいていのサイトでやっていることです。

でも、送信されたあとの流れはどうなっているでしょうか。

メールが届く。気づく。内容を読む。誰が対応するか決める。返信する。——このあいだに半日、場合によっては一日が過ぎてしまう。返信が遅れるほど、相手の温度は下がっていきます。

自社プロダクトの運用で、まさにこの課題にぶつかりました。フォームは動いている。でも、届いた問い合わせを拾い上げて対応につなげるまでの「受け皿」ができていなかった。

専用の問い合わせ管理ツールを入れることも考えました。でも、月額がかかるし、そのためだけに新しいツールの使い方を覚えるのも気が重い。すでにチームで使っている Notion と Slack で完結できないか。考えた結果、こういう仕組みにしました。

フォーム送信をきっかけに、3つが同時に動く。

  • → Slack に通知が届く(すぐに気づける)
  • → Notion にレコードが作られる(対応状況を追える)
  • → 送信者に自動返信メールが届く(届いたことが伝わる)
フォーム送信から Notion・Slack・自動返信メールへの流れ

新しいツールは何も入れていません。ふだん開いている Slack と Notion がそのまま問い合わせの受け皿になります。

まず考えたこと——通知と記録を分けて設計する

問い合わせが届いたとき、必要なことは二つあります。

すぐに気づくことと、あとから振り返れること。

メール通知だけだと、この二つが一箇所に混ざります。受信ボックスのなかに問い合わせが埋もれて、対応したのかどうかもわからなくなる。

Slack は「気づく」ための場所。Notion は「記録する」ための場所。もともとそれぞれの得意分野で使い分けているものを、問い合わせ対応でもそのまま活かす形です。

Slack 通知——「見に行く」から「届く」に変える

Slack への通知は、フォームが送信された瞬間にチャンネルに流れます。送られてきた名前、連絡先、相談内容がそのまま整形されて届く。

大事なのは、通知の内容を「読んだだけで次のアクションが決まる」粒度にしておくこと。名前とメールアドレスだけでは、何の相談かがわからない。かといって全文を貼ると長すぎて流し読みされる。

自社サイトでは、相談内容のカテゴリ(新規制作なのか、保守なのか、協業なのか)と予算感を通知に含めるようにしました。これだけで、通知を見た瞬間に「すぐ返すべきか」「少し調べてから返すべきか」の判断ができるようになります。

Slack は毎日開いているツールだから、メールのように「確認しに行く」手間がない。気づくまでの時間がゼロに近くなります。

Notion 記録——対応漏れを仕組みで防ぐ

Slack で「気づく」だけでは、対応が完了したかどうかは追えません。通知は流れていってしまうからです。

そこで、フォーム送信と同時に Notion のデータベースにレコードを自動作成するようにしました。ステータスは「新規」で入り、対応が終わったら「完了」に変える。これだけのことですが、効果は大きい。

  • 誰がいつ対応したかが履歴として残る
  • 「新規」のまま残っているレコードがあれば、対応漏れだとすぐわかる
  • 月に何件、どんなカテゴリの問い合わせが来ているかが勝手に可視化される

最初は「手で管理表を作ればいいのでは」と思っていました。でも、手動だと入力を忘れるし、忙しいときほど記録が抜ける。フォーム送信のタイミングで Notion に自動的にレコードが作られる仕組みにしたことで、「やり忘れ」がなくなりました。

Notion はもともとドキュメント管理やタスク管理で使っているので、問い合わせの記録もそこに集約されるのは自然な流れでした。

自動返信——相手の不安を減らすために

もうひとつ組み込んだのが、送信直後の自動返信メールです。

問い合わせを送ったあと、何もレスポンスがない時間は不安です。「ちゃんと届いたのだろうか」「見てもらえるのだろうか」。この不安は、たった一通の確認メールで解消できます。

自動返信には、送信された内容の控えと「2営業日以内にご連絡します」という一文を入れています。特別なことではありませんが、「届いた・見る・返す」の最初の一歩を自動化するだけで、相手に与える印象はまったく変わります。

新しいツールを入れなくていい、という価値

この仕組みで一番よかったのは、チームの日常が変わらなかったことです。

専用の問い合わせ管理ツールを導入すると、ログインする場所が増える。使い方を覚える。月額がかかる。運用が定着するまでに時間もかかる。

Slack と Notion なら、チーム全員がすでに毎日使っています。問い合わせが来たら Slack に通知が流れて、Notion を開けば対応状況が見える。新しい操作を覚える必要がない。だから、仕組みを入れた初日から、自然に回りました。

以前は、メールに気づいた人がなんとなく対応していました。誰かが返信したのか、まだなのか、他の人からは見えない。担当者が休みの日に届いた問い合わせは、翌日まで放置されることもありました。

今は、Slack に通知が流れた時点でチーム全員が把握できる。Notion のステータスを見れば、対応済みかどうかも一目でわかる。引き継ぎの必要もない。

フォームを「置く」だけなら、どんなサイトでもできます。でも、届いた問い合わせを確実に拾い上げて、対応につなげるところまでを設計しておかないと、せっかくの接点を取りこぼしてしまう。

その受け皿は、すでに使っている Notion と Slack だけで十分作れる。新しいツールを足すのではなく、今あるものの使い方を少し広げるだけで、問い合わせ対応の質は大きく変わると考えています。

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