WordPressで始めるなら——最初から「いつか乗り換える」前提で組む
WordPressを選ぶ理由はたいてい合理的です。導入コストが低く、実績があり、触れる人が多い。自社メディア「2.5DGEEK」を立ち上げたときも同じ判断をしました。スモールスタートとしては正しい選択でした。
ただ、使い続けるほど最初には見えなかったものが出てきます。
育てると、重くなる
最初はシンプルだったサイトも運用するうちに「触りにくい資産」になっていきます。機能を足す、デザインを調整する、プラグインを重ねる。更新のたびに何かが壊れる不安がつきまとい、カスタムが増えるほど手を入れるコストが上がっていく。
ランニングコストの安さは本物です。でも保守コストはじわじわ積み上がります。
CMSとフロントは、最初から分けていた
2.5DGEEKは最初からヘッドレスで構築しました。WordPressはコンテンツ管理だけに絞り、表示側は別の技術で組む方法です。

表示周りの自由度は高い。それでもWordPress側の管理は残ります。プラグインの更新、セキュリティ対応、バージョンの互換性確認。分けても根本は変わりませんでした。
この先、保守はもっと大変になる
コストだけではありません。セキュリティも気がかりです。
弱点が出やすいのは、WordPress本体よりも後から足したプラグインのほうです。Patchstackの調査でも2024年に新しく見つかった脆弱性のうち約96%がプラグイン由来でした。便利だからとプラグインを重ねるほど、穴は増えていく。
AIの進歩で攻撃の自動化は進んでいます。シェアの高いWordPressはどうしても標的になりやすい。
今後保守コストが下がる方向には動かないと考えています。
それでも、リプレイスできていない
実際、2.5DGEEKのCMSはまだWordPressのままです。それでもサーバー側で動かす必要のある機能は外部プラグインをやめ、自作に切り替えてきました。
移行コスト、既存コンテンツの資産、運用者の慣れ。現実的な制約があります。「いつかやる」が「いつまでもできない」になりやすいのもよくわかります。
最初から決めておくだけでいい
WordPressを選ぶこと自体は否定しません。スモールスタートの選択肢として今もありだと思っています。
ただ最初から「これはいつか乗り換える前提で作る」と決めておくだけで、構成の判断は変わります。コンテンツは外に出しやすい形で管理する。テーマのカスタムは最小限に抑える。プラグインへの依存を意識する。そういう積み重ねが、後の移行コストを下げます。
WordPressで構築するならリプレイス前提で作る。その前提まで含めて、スモールスタートだと考えています。